(お隣の畑、青々とお野菜たちが日の光を浴びて、すくすくと成長しています!)

 

小学生の頃、よく「ひざっこぞう」をすりむいては、水道水で洗って「消毒薬」をつけていました。その後、粉で乾燥させるタイプの消毒方法も出ました。ガーゼやカットバンをあてると、はがす時に痛くて、結局、また血がにじんでしまった記憶はないでしょうか。

 

きずの処置方法も時代とともに変わってきました。私も研修医の当初は、消毒してガーゼをあてて処置をしておりました。当時はそれが標準的でした。幸い、当時の整形外科の指導医がアップデートしてくれて、きずの処置方法はガラッと変わりました。医学もどんどんと新しくなりますので、医師も生涯、学習を続けていくことが重要です。現在、様々なきずの処置方法がありますが、当院では、「湿潤療法」、「閉鎖療法」と呼ばれる処置方法を実施しています。

 

きずが「じくじく」して「膿み」のように見える浸出液が出ることがあります。実はあの浸出液はきずが治るために必要な物質が含まれており、決して悪者ではなかったことがわかりました。ただ、きずが感染して本当に「膿み」の場合もないわけではありません。その場合は、周囲の発赤が強かったり、圧痛があったり、発熱を認めたりすることがありますので、診察によって判断します。しかし、「じくじく」は感染でないことがほとんどですので、それを完全に乾燥させてしまうのではなく、適度に湿潤環境を保つことが重要となります。

 

適度な湿潤環境を保つための処置としては、創を覆う「被覆材」を使用したり、ワセリンを含む外用薬を塗布するなどの方法があります。その前に水道水できれいに「洗浄」し、「消毒」はほとんどの場合、実施しなくなりました。なぜなら、「消毒」とは、創面の菌を除去して無害化することが目的ですが、ひとの皮膚にはもともと常在菌がいて菌をゼロに保つことは難しく、「洗浄」して菌数を減らし、砂などの異物を除去することで、その後の「感染」は成立しにくくなるためです。

 

また、湿潤環境を保つ治療法では、創面が乾燥してガーゼなどがはりつくことがないため、痛みも軽減できます。

 

創傷の治療方法としては、けがや褥瘡(床ずれ)、熱傷(やけど)なども基本的には同じ考え方となります。たかが「きず」、されど「きず」です。ご心配な場合は、一度、当院までご相談いただければ幸いです。