(次女作です。診察室の壁に飾っています!)

 

 早いもので今年もあと数日となり、平成最後の年越しとなりました。当クリニックは今年5月から診療を開始させていただき、おかげさまで無事に今年の全診療を終えることができました。ご来院いただいたみなさん、ご支援いただいたみなさんには多々、至らぬ点もあったかと思いますが、心から感謝しております。

 

 平成30年最後のブログは、「家庭医療」についてです。下記は、2007年に「家庭医療って何?」というテーマで書いた文章です。簡単に説明するのが難しい内容ですが、詳しくは来年以降の課題とさせていただき、今回は、過去の自分の文章をあえて修正せずに、当時のまま掲載させていただきます。

 

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「夜の10時、当直中に8歳のA君が喘息発作で受診した。3日前と1週間前にも喘息発作で当直中に受診していた。今回は吸入をしてもよくならず、点滴まで行った。付き添って来たのは男の子と同居している祖母で、両親は来られなかった。」こういった症例の場合、吸入と点滴をして、お薬を処方して、明日、小児科に行ってね、で、終わらすこともできます。しかし、「最近、A君、喘息発作がひどくなっているなあ。どうしてかなあ。」とちょっと立ち止まって考えることから、「家庭医療」は始まります。

 

「A君は、両親と5歳の弟、母方の祖父母と同居。祖父は最近、病気がちで認知症もあり、現在、入院中。母親は家事と祖父の介護で忙しい様子。父親は現在、失業中で、お昼から焼酎を飲んでいることが多くなり、最近、両親が口論をすることが多くなった。この頃からA君の喘息発作は頻度が多くなった。」

 

 このように、適切に最低限の小児科の診療ができる、喘息の治療ができる、にとどまらず、患者の家族構成や家族の状況を聞きだすことで、患者の病態に関与する環境や心理的背景が見えてきます(家族志向のケア)。A君の喘息発作が最近、ひどくなっているのは、ご両親の口論を含め、家庭内のストレスが原因の一つと考えられました。

 

治療を行っていく際、患者の心理的側面を考慮し、良好な患者-医師関係を構築することが重要になります(患者中心の医療)。その上で、医師は、世界的に標準的な医療は何か、常に新しい情報を入手し(根拠に基づく医療)、患者ひとりひとりの価値観やストーリーを考慮した上で(物語りに基づく医療)、目の前の患者に最良の医療を提供するように心がける、そしてその医療行為が最適であったかを振り返り反省する(反省的実践家)、そういった医療概念が「家庭医療」の特徴の一つです。また、このような家庭は地域に他にも多いのでは、失業者が増えると健康問題にも関わってくるのでは、などと考えていくと、家族志向にとどまらず、地域志向のケアの観点につながり、より良い健やかなまちづくりに健康思考はふくらみます。(~以下、省略)

 

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医学部を目指した頃から、家庭的なまちのお医者さんになるのが夢でした。10年以上前の文章ですが、今も根本的な大切にしたいことは変わっていません。来年も初心を忘れず、この地域で一層、みなさんの健康のお役に立てたらと思いますので、変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

 

平成31年は1月5日(土)から診療を開始します。インターネット予約も開始しましたので、ご利用ください。

 

来年もよろしくお願いいたします。