寒くなってきて、すっかり冬らしくなってきました。咳や熱の風邪、胃腸炎、インフルエンザも徐々に増えてきて、流行り病も冬らしくなってきています。やはり睡眠は大切です。睡眠不足が続くと風邪をひいてしまうように思います。体調がすぐれないときはいつもより30分、早く寝るようにしたいところです。

 

今回のテーマは「検査」についてです。

 

世の中に100%正しい検査は存在しません。

 

90%の確率で正しい、という検査はあります。しかし、逆に言うとそれは10%の確率で間違う、とも言えます。最近、検査をする機会が増えてきているインフルエンザの迅速検査も例外ではありません。

 

すべての検査は「事前確率」が大切となります。

 

症状を聞いて診察を行い、検査をする前にある病気の可能性がどれくらいありそうかを見積もり、その上で必要な検査計画を立てます。確定診断をつけるための検査もあれば、逆にこれはなさそうという除外診断のために検査を行う場合もあります。

 

「事前確率」を考えずに検査をしてしまうと、逆に良くない影響を及ぼす場合もあります。血液検査で腫瘍マーカーと呼ばれる検査があり、例えば前立腺癌にはPSAという腫瘍マーカーがあります。検査結果がかなり上昇していると、その癌の可能性が高まりますが、少しだけ上昇している場合、前立腺肥大や前立腺炎でもPSAが軽度上昇することがあり、必ずしも癌だとは言い切れません。しかし、逆に癌を完全に否定もできないため、癌かもしれないという不安がぬぐえない状況となります。そこで次の精密検査が必要となり、前立腺を針で刺して細胞をとるという検査がありますが、侵襲性も高くなり、その検査をしたための合併症が起こる可能性もあります。

 

よって検査は、丁寧な問診や診察を行い、その必要性を十分に考慮した上で実施することが望ましく、不要な検査を減らすことは、患者さんのためでもあり、また医療費の節約という意味でも重要となります。

 

インフルエンザの迅速検査は鼻の奥で鼻汁を採取するため、やや痛みを伴います。できれば何回もはしたくないものです。検査前にインフルエンザかどうかの確率を見積もるのは難しい場合もありますが、できるだけいろいろな情報から「事前確率」を見積もり、つらい検査は最低限にできればと考えます。

 

検査をするかどうかを判断する場合に、その検査をした後の治療が変わるか、ということも重要となります。例えば、下痢をしているときに、ロタウィルスやノロウィルスの感染の有無を調べる迅速検査があります。これらの検査を実施して(+)が出たとしても、それらの特効薬はなく、対症療法がメインとなります。そのため、高齢者施設での施設内感染や病院での院内感染など特定の場合を除いて、ロタやノロの迅速検査はあまり推奨されておりません。

 

また、健康保険の特定健診、人間ドック、会社や学校の健診など各種健康診断では、血液や尿検査、その他の検査が実施され、結果の解釈が難しい場合もあるかと思います。当院では、健診結果の説明を行い、必要時は追加の検査や適切な医療機関への紹介も行っております。健診結果や人間ドックの結果で気になる点がある場合は、お気軽にご相談いただければ幸いです。