令和2年、初めてのブログになります。

 

最近は天気予報のとおりやや暖冬ですが、インフルエンザは昨年12月から流行し始め、現在はインフルエンザAが多い中にも、インフルエンザBも混在しています。

 

今回のテーマは、「インフルエンザ迅速検査」についてです。

 

厳密には、インフルエンザAやインフルエンザBの「抗原」を検出する検査になります。

 

抗原とは、例えば体の中に入ってくるウィルスや花粉なども抗原で、食物アレルギーを引き起こす卵や牛乳なども抗原となります。それらの抗原に対して体の中では抗体を産生し、病態に立ち向かいます。予防接種では、病気を引き起こさない程度の抗原を接種することで、体の中に抗体を作り出し、実際のウィルスに対して免疫を強くすることが目的となります。

 

インフルエンザに罹患すると、鼻汁や唾液中にインフルエンザウィルス抗原が検出されるため、迅速検査ではその抗原抗体反応を活用して検査を行います。

 

すべての検査には感度と特異度があり、感度とは、実際にインフルエンザに罹患しているひとに検査を行い、正しく「陽性」と判定する割合のことで、特異度とは、インフルエンザではないひとに検査をして、正しく「陰性」と判定する割合を表します。

 

堅苦しい説明ですみません。

 

実際の医療の現場では、感度が高い検査では、検査結果が陰性の場合にその疾患ではない可能性が高くなり、特異度が高い検査では、検査が陽性の場合にその疾患である可能性が高くなる、と解釈しています。

 

ではインフルエンザ迅速検査の感度、特異度はどの程度かといいますと、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のホームページ(https://www.cdc.gov/flu/professionals/diagnosis/rapidclin.htm)には、感度 50-70%、特異度 90-95%と記載があります。前述の解釈でいくと、インフルエンザの検査をして陰性と出た場合でも、その30-50%は偽陰性(実際にはインフルエンザに罹患している)の可能性があり、逆に陽性と出た場合には、90-95%の確率でインフルエンザと診断ができる、ということになります。

 

一つ言えるのは、検査は完璧ではない、ということです。すべての検査は、実施前に問診と身体診察が行われるべきで、まず経過を聞いて身体診察を行い、検査前にどれくらいインフルエンザの可能性があるかを見積もることが、検査を行う上で重要となります。

 

世界的にみて、日本はインフルエンザの検査や抗インフルエンザ薬の使用が極端に多いと言われており、実際には、インフルエンザを強く疑う際は、迅速検査を行わずにインフルエンザと診断を行う場合もあります。

 

また、最近はインフルエンザ以外にも、胃腸炎や発熱や咳の風邪も流行しており、それらでも高熱が出ることがあり、発熱イコールインフルエンザとも言えないのが実情です。

 

現代の医療をもってしても、まだまだ不確実なことが多々あります・・。

 

冬の発熱の診療においても、日々、悩ましいことが多いのですが、それでも一人一人、目の前の患者さんにできるだけ正しい診断を行えるよう、今年もまた一年、精進してまいります。よろしくお願いいたします。