新型コロナウイルスの流行が世界的に続き、日本でも変異ウイルスの感染を認めつつあります。

 

新型コロナウイルスのために生活様式をがらっと変えざるをえず、1年以上が経過し、程度の差はあれ、ボディブローのように徐々に何らかの形で私たちの生活に影響が出てきていると感じます。仕事への影響はもちろん、お子さんや大人の方も原因がはっきりとしない体調不良を訴える例も少なくありません。腹痛、不眠、頭痛、学校に行けない、気分の落ち込みなど。

 

新型コロナウイルスへの感染を予防し、流行を抑えるためには、

・人と会話するときはマスクをして

・2m程度のソーシャルディスタンスをとり

・換気のいいところで

・3密(密閉、密集、密接)をできるだけ避けて

・マスクを外しての長時間の会食などを行わない

・体調が悪いときは無理せず自宅療養を行う

・外で物を触ったら、手洗いや手指消毒を行うまでは、顔を触らない

などの基本的なことをまずしっかりと行いましょう。

 

熱がある、のどが痛い、鼻汁が出る、咳が出る、などで受診される際、やはり新型コロナウイルスの感染を心配される方も多く、医療サイドとしても常に念頭において診療を行う必要があります。ご存じのとおり、新型コロナウイルス感染では、無症状や軽症のこともあり、症状だけで普通の風邪と鑑別をするのはなかなか難しいのが現状です。かろうじて、味やにおいが分かりにくい、という症状はやや特異度が高いと言えるかもしれません。特異度が高いというのは、それがあればその疾患である可能性が高いという意味ですが、ここではあくまで「やや高いかも」程度だと考えてください。

 

現時点で、新型コロナウイルス感染の可能性を考える上で、有用となる一番の情報は「2週間以内の行動」です。家族以外の人とマスクを外して会食、飲み会を行ったり、家族親戚でも大勢で集まると、どなたかが感染していてクラスターが発生するリスクがあります。最近は学校のクラスで数人、感染者が出るという事例も見受けられます。また、大人の方が感染をして自宅に持ち帰ると、他のご家族は濃厚接触者となり、家族内で感染が広がる場合もあります。以上は感染リスクが上がる行動のごく一部ですが、思い当たることがあれば、受診の際に先にお知らせいただけると、医療機関での感染対策につながり、みなさんも安心して受診していただけるようになります。

 

また、普段からかかりつけ医として、その患者さんのことをよく知っていると、「〇〇さんは、よく喘息症状で受診されている。」、「~~くんは、ときどき扁桃腺炎になる。」などと考えることで、新型コロナウイルス感染の可能性が高いか低いかを事前に見積もる一助となります。

 

新型コロナウイルス感染の判断のみならず、その他の日常診療においても、かかりつけ医としてその患者さんの過去の経過や意向などをカルテにまとめておくと、スムーズな診療を行うことができ、結果的には患者さんにとっていい結果につながると思われます。

 

みなさんはかかりつけ医はもっておられますか?

 

もちろん普段はお元気で、医療とは無縁の方もいらっしゃるでしょう。医療なんて用がないほうがいいです。しかし、新型コロナウイルスが流行している現在、微熱が出ても、咳が少し出ても、コロナではないかという心配は誰しも頭をよぎります。そんな時に、何回か通院したことがあり、ご自身のことを少しでも分かってくれていて、受診しやすい医療機関があれば、それに越したことはありません。

 

当院はそのような一人一人の患者さんにとって、できれば家族みんなでかかりつけとして受診してもらえるようなクリニックになれればと考えております。よろしければ一度、かかりつけ医として相応しいかどうか値踏みしに受診にお越しいただければ幸いです。