新型コロナウイルス感染の流行が続き、大阪は3回目の緊急事態宣言中です。先の見えない状況の中で、不安に思い、疲れが出ている方もいらっしゃることと思います。医療従事者、高齢者からワクチン接種が開始されました。変異株が出現しても、基本的な感染対策は変わりありませんので、気を付けて日常生活を送りつつ、ワクチン接種率が上がるのを待ちましょう。ワクチンの効果を上げるためには、その時点での感染者数をできるだけ減らしておくことが重要となります。なんとかこの難局をみんなで乗り切りましょう。

 

新型コロナウイルス感染の流行と並行して、現在、RSウイルス感染が流行しています。

 

どちらも「流行」と書きましたが、日本の中で、新型コロナウイルス感染がとても流行している地域であっても、RSウイルス感染も含めた、いわゆる普通の風邪や胃腸炎のほうが圧倒的に感染者数が多く、診断を行う際、その地域でどのような感染症がどれくらい流行しているかを考慮することは重要となります。

 

RSウイルス感染では、一般的に、咳が多くなり、高熱が出る場合もあり、症状はやや長引くことがあります。現在、保育園やこども園で流行がみられます。

 

・RSウイルスは、風邪のウイルスの一つで、抗生剤は効きません。 ただし、細菌の二次感染が疑われる場合には、抗生剤加療が必要となる場合があります。

 

・インフルエンザの検査と同じようなキットで行う抗原迅速検査がありますが、 それを行い、RSウイルス感染と診断がついても、RSウイルス用の特効薬はありません

 

・抗原迅速検査を行うには、インフルエンザと同じように細い綿棒のようなスワブを、 鼻の奥まで入れて鼻汁を採取しますが、鼻がつうんとなり痛くて、涙が出ますよね。 確定診断がついても特効薬がないことを考えると、検査はどうしても必要な場合に限って 行うのが望ましいと考えます。

 

・また、RSウイルス感染と診断がついても、インフルエンザや新型コロナウイルスのように、 出席停止期間の設定はなく、熱が下がり、それなりに症状が改善すれば、 登園や登校することが可能です。

 

・喘息のような症状が出現することがあり、その際は喘息に準じた治療を行う場合があります。

 

・小さいお子さんで、肺炎を発症し、入院が必要となる場合がまれにあります。

 

以上のような点を踏まえつつ、他の風邪や胃腸炎と同じですが、対症療法を行いつつ、徐々に改善すれば様子をみることができますし、症状が続いたり、悪化したり、心配な点があれば、医療機関にご相談ください。

 

ご家族やご自身の体のことで心配になるのは、多少の個人差はあっても当然のことです。ご心配な際は、もちろん早めに受診していただいて大丈夫です。

 

冬の風邪と思っていたら、気が付けば、もう夏風邪が流行る時期になってきました。4月から新年度となり、小さいお子さんでは、集団生活でどうしても繰り返し風邪や胃腸炎に罹患してしまうことが少なからずみられます。

 

保護者の方は、お子さんのケアも大変で、ご自身がうつってしまうこともあるでしょう。コロナではないかと心配になることもあるかもしれません。なかなか思うようにいかないことは多いですが、たまには気分転換をして、日々、いまを楽しみながら過ごしていけたらいいなと思います。