現在、新型コロナウイルス感染は第5波と呼ばれ、急激に拡大しています。
堺市でも20才代から40才代、10才代以下のお子さんなど特に若い年齢の方の感染が目立ち、重症化する患者も増加しています。これはそもそもの患者数全体が増えていることが一因です。
PCR検査の陽性の報告では、ほとんどがいわゆるデルタ株です。デルタ株なので感染力が強い、子どもにも感染しやすい、といった一面はあるかもしれませんが、私たちが行うべき感染対策はこれまでと変わりません。
〇適応があり可能な方は、できるだけワクチンを接種しましょう。
焦る必要はありません。可能な時に可能な種類のワクチンを接種しましょう。
〇不要不急の外出は控えましょう。
お子さんをたまには外で発散させるのは不要不急かというと、必要なことかもしれません。日常生活で必要な買い物など、必要な生活、必要な行動はやむをえません。
〇職場、人の出入りのある場所では、できるだけ換気を行いましょう。
〇職場などで食事をする際は、一人で食事をするか、距離を置いて、あまり大きな声で会話をせずに食事を行い、談話する場合はマスクを着けてから、距離をとって行いましょう。
換気の悪い密室で長時間の談話は、マスクをしていてもあまりお勧めできません。
〇マスクは不織布マスクにしましょう。
それ以外のマスクはあまり効果がない可能性があります。特に流行が拡大している現状では、少しでもできることはしたほうがいいでしょう。
〇現状では、家族親戚でも大人数での会食はリスクを伴います。自身がうつしてしまうかもしれない。自身がうつされてしまうかもしれない、と考えて、不要不急かどうかを見極めて行動してください。
お子さんの感染が増えてきて心配、とのお声を聞きます。心配ですよね。我が子も心配になります。ここまで流行が拡大すると、感染したお子さんから、学校や幼稚園、習い事などで感染してしまう可能性はゼロとは言えません。ただ、それでもなお、大人の感染者数の方が圧倒的に多いです。大人の方が、まず自身が罹患しないよう気を付けること、ご家庭に持ち込まないように気を付けること、が重要となります。
また、病院やクリニックは感染が怖いと思われるかもしれません。もちろん、感染のリスクはゼロではありません。ただ、診察室での診察時間は短時間で、マスクを外してもらい喉の診察を行うのも数秒です。それ以外はマスクを外すことはほぼなく、換気も行っております。コロナの診療を行っている医療機関では、その他の患者さんと空間的分離、時間的分離などを行い、感染対策に努めています。通院よりもやはり、会食、飲み会、人込みの方が感染のリスクは高いと言えます。軽い風邪症状などであれば、1,2日、家で様子をみていただくのでいいかと思いますが、経過がご心配であったり、定期薬が減ってきたような場合は、できればご予約の上、ご来院いただければと思います。お待たせすることがあり、申し訳ございませんが、できる限り、クリニックでの滞在時間を短くできるように尽力いたします。
ヘルスリテラシーという言葉があり、健康や医療などについての知識をできるだけ正しく情報収集し、それに基づいて行動すると、健康が向上すると言われています。そのためには、一般の方が正しい情報にアクセスしやすいように、医療サイドとしても、行政的にも創意工夫が必要となります。一人一人が、新型コロナウイルスについて、できる限り正しい知識、情報を得ようとして、それを意識して生活をしていくだけで、感染者数が減り、より過ごしやすい日常生活を取り戻せる可能性があります。
これまで1年以上にわたり、新型コロナウイルス感染対策として、みなさん、様々な我慢を強いられており、まだ続くのか、いつまで、という思いもあると思います。ただ、現在、第5波はこれまでになかった感染の拡大で、容易に自身や家族に新型コロナウイルスが近づきつつあります。このあたりで感染者数が減少に転じないと、どうなっていくのか予想がつきません。政治や医療ももちろん頑張らないといけませんが、現状の感染状況を打破するには、一般市民のみなさん一人一人の感染対策の協力が必要不可欠となります。もっと感染対策を強化する、というよりは、前述したような基本的な感染対策を今一度、徹底していただければ幸いです。
最近、空の雲の写真を撮ることがあります。大昔も未来も変わらず、移り行く雲。あまり意識したことはなかったですが、まじまじと見て、写真を撮ると、とてもきれいで興味深いです。空や雲は家の窓からでも、一人でも見ることができます。たまには空を見上げて、マスクを外して深呼吸を行い、また粛々と感染対策を行いつつ、目の前の生活を送っていければと思います。