ふたたび新型コロナウイルス感染(以下、コロナ)が大流行し、第6波と呼ばれています。
オミクロン型が主な原因と考えられ、すでにオミクロンの亜型(BA1→BA2)も混在している可能性があります。この亜型の流行のため、第6波がBA1だけで収まらずにさらに大きな波になるか、もしくは第6波が収まってもすぐに第7波として流行するかもしれない、という意見もあります。
今回のオミクロン株の特徴を、診療を行っている立場から、実感レベルで述べてみます。
・若い方や小さいお子さんでの感染が目立つ印象です。
・その世代にワクチン未接種の人が多いことも一因かもしれません。
・しかし、ワクチンを2回接種している方の感染も見られます。
・必ずしもそれだけとは言えませんが、インフルエンザのように急な高熱を認めている方が多い印象です。
・小さいお子さんの場合、高熱を認め、陽性になっても、数日以内で解熱し、比較的元気になっている方も見られます。
・重症化はこれまでの型よりも少ないようですが、感染者の増加にあわせて重症者の数も増えています。
・コロナかどうかの診断のための外来診療の負担が大きくなってきています。
・それに伴い、PCRや抗原検査の試薬やキットが品薄となり、検査会社も検査受注が急増し、結果が返ってくるのが遅くなってきています。
・検査が本当に必要な場合でも検査ができない事態が、地域によってはすでに起こっています。
・検査が陽性となれば、医療機関から保健所に届け出を行いますが、届け出数も増えているため、保健所から感染者への連絡が遅くなっているのはやむを得ませんが、さらには、第一歩の保健所への届け出の際、電話がなかなかつながらない状況も起こっています。
令和4年1月29日時点の保健所の指導の概要は、
・陽性者はその後、無症状であれば、7日間、自宅療養。
・濃厚接触者は、最終濃厚接触日(同居であれば隔離できてから)から7日間、自宅療養。
となります。
可能ならどんどん検査ができればいいのですが、先に述べましたとおり、検査したくてもで きなくなるかもしれず、普段にもまして検査の有効活用が必要な状況です。無症状の濃厚接 触者の方は、現状では、症状が出てからの検査、もしくは症状が強くなければ検査を受けずに経過をみることをお勧めします。それは、無症状で検査をして陰性であっても、その後に陽性になる可能性があり、また、陰性と分かっても、最終濃厚接触日から10日間は自宅療養であることに変わりがないからです。
保健所も検査会社も夜遅くまで頑張って対応してくれています。私たち医療機関もできる かぎりコロナの診断や治療に力を注ぎ、同時にその他の通常診療も質を落とさず継続しな ければいけないと考えています。
これを読んでいただいているみなさんもそれぞれ、感染対策に気を付けて、不安な中、なん とか日常生活を過ごしていただいていることと思います。
みなさん、頑張ってくれています!!
本当に早くコロナが落ち着いてほしいです。
つらいですが、コロナとの戦いはまだ先が見えていません。現状の中で、これまで通りの基 本的な感染対策を行いつつ、体調が悪い時は無理せず、流行が少ない時は少ないなりに、ま た増えてきたら、それにあわせて行動を変えて、日常生活を行っていきましょう。
何度も踏ん張り時ですが、今もまた踏ん張り時です。なんとか、この第6波もみんなで力を あわせて乗り越えていきましょう。